カテゴリ:本の話( 96 )

読まず嫌い

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 11月後半からの読書 書いときましょう
 今回は「読まず嫌い克服週間」でした
 作者も有名 評価も高く いろんな賞をとって
 映画化もしちゃう・・・それなのに あまり
 読む気にならない本 ってありますよね 
 たとえば映画の方を先に観ちゃった場合
 それもわざわざ映画館に行くほどの興味もなく
 たまたまヒマな時に TVでオンエアしたのを
 見たりすると(ああ・・・こういうのね
 原作はもういいや)と思っちゃうこと ありませんか
 これの代表が 伊坂幸太郎さんです
 映画化作品は何本も見てるのに 一冊も読んでないの
 これは あかんのじゃないの?と思い 映画を見て
 ない「重力ピエロ」読んでみました
 う~ん・・・ピンとこない・・・
 やっぱり合わないのかも・・・
 もう一つ どうしても読む気になれなかったのが
 「夜市」恒川光太郎さんです
 とにかくこれが評判高くて ホラー分野で受賞歴も
 あり 本来なら飛びついて読むはずなのに どうも
 読む気になれないでいました
たぶん書評のせいでしょう
「せつなく 淡く はかない」的な形容詞が多用され
あまつさえ「ホラーで初めて泣いた」なんてことまで書いてある
それはないでしょうよ・・・と わたしは思います
ホラーで泣くって・・・! そもそも震え上がらせてなんぼのものじゃないの?
ファンタジイーホラーとかいう部門も認めないから
それでも 読まずに否定はないかも…と思って読んでみました
↑の「雷の季節の終わりに」前評判 読まずに 先入観なしで
やっぱり ファンタジーなんですねー これ
微塵も怖くはありませんでした
なんだ がっかりだよ
恩田陸の男性版かよ
「読まず嫌い」克服しようと思ったのですが だめでした
あ、読んでやっぱり合わないのは「読まず嫌い」は一応 卒業ってことなのかな?
どちらにしても「こうたろう」二人とも 私には合わないということが
よーくわかった11月の読書でした                          

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by tukineko-diary | 2018-12-06 11:59 | 本の話 | Comments(0)

深夜百太郎 舞城王太郎

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これはもともとTwitterに投稿されたもので 全百話を「入口」「出口」の二冊
それぞれ50話ずつにわけて 出版されました
どれも短いですが アベレージ高いです
舞台となっているのは 作者の出身地福井県と 東京都調布市です
作中でも出てくる福井の「ど田舎」と 都市の郊外との話が交互に続きます
で、この調布市なんですが 近隣というだけでなく
もろに私の現在の生活圏に入っています
そのうえ 小島町一丁目 富士見町 調布が丘 深大寺 布田駅前ロータリーなど
すべて実在の地名です 
なんなら 今日も歩いてきましたよ
ただ一点 調布中央図書館の入ったビル名が「たづくり」から「ごまめ」に変えてあるだけ
あとは 全部 現実通りの地名が並んでいます
これ 怖いですねー
書店でなにげなく手に取って「調布市」とあるので 図書館にリクエストしましたが
まさか こんなにも 調布市(と福井)だけの本って・・・
そして 実名なのは調布市だけ 福井県の方は 町名が実在していません
一番出てくる「西暁町」も 本当はないんですねー
これ なんでかしら?
モデルになった地域は 福井県今庄市らしく 舞城ファンは
わざわざ 今庄まで聖地巡礼に行くみたいですが
なぜ こちらは実在の地名にしなかったのかしら?
ご家族・親戚がいたりして 迷惑がかかるから?
調布市は 親戚いなくて 人口多いから 地名そのまま使ったの?
人口多くても 怖いものは怖いよ!
おかげで 夜のコンビニ(一番近いのは調布市)や 駅前ロータリーで
挙動不審になってしまうよ
たぶん これだけ細かい地名が出てくるってことは 舞城さん 
調布市在住なんだと思います
「覆面作家」ということで 男か女かもはっきりしないそうですが
おかげで 道を歩く時も「舞城王太郎っぽい人」を さがしてしまう
妙な癖がついてしまいました
もし それらしい人を見つけたら 言ってやりたい
「何してんのよ!怖いじゃない!ごちそうさま!」って・・・




 

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by tukineko-diary | 2018-11-15 15:03 | 本の話 | Comments(2)

11月の読書

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 歩け歩け運動 推進中の身には 地域の図書館が
 ちょうどいい距離なもんで毎日のように通ってます
 リュックに返す本を二、三冊入れてって 帰りに
 また二、三冊借りてくるという具合・・・
 ちょっと前なら コミケ帰りの方 ずーっと前なら
 闇米の買い出しの方の様です
 借りてきたからには 読むし 人気作は早く返さな
 いと悪いんで さっさと読んじゃうし
 でも季節がら 家事も忙しいし 野暮用も多い
 だから読みっぱなしになって すぐに何読んだか
 忘れっぽくなるお年頃・・・
 前回の「小暮写真館」以降では
 「淋しい狩人」宮部みゆき 下町の古書店に起こる
 さまざまな事件 連作ミステリー
 「ナミヤ雑貨店の奇跡」「マスカレードホテル」
 東野圭吾 マスカレードホテルは キムタク主演で映画化され
 正月封切りだというので 何となく読んでみたのですが
 先入観あり、で読んだので 出てくる主人公が もう頭の中で
 キムタクに変換済みになっていて 往生しました
特に嫌いでもなく かと言ってそう好きでもないので うざったいです
ところが もう一人の女性主人公の方は 長沢まさみさんがやると
分かってたのに これは勝手に「綾瀬はるか」に変更されてました
何なの このわがままな脳内変換!
最後まで キムタクと綾瀬はるかの組み合わせで 読み切りました
もう 映画観る気しないな・・・
そのあと「Another」綾辻行人
「いまだ下山せず!」山岳遭難ドキュメンタリー
「世界遺産でわかる世界の歴史」宮崎正勝監修 

そして「火のないところに煙は」芦沢央(あしざわよう)です
神楽坂にまつわる怪談の執筆を依頼された作家は・・・
という冒頭の設定から 面白そう!ですね
たまたま検索にひっかかったので図書館で予約したら 結構な先約数
あれー人気なんだなーと思った割には すぐ回ってきました
確かに 読みやすい 三津田信三っぽいところもある
一日で読めちゃう分量と文体なので みなさん すぐ返すのね
軽めのホラーなので 誰にでもおすすめです

 
 

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by tukineko-diary | 2018-11-13 14:46 | 本の話 | Comments(2)

小暮写真館

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 久々に宮部さんの読んでないやつに手を出しました
 「持ち主の亡くなった下町の古い写真館に 少し
  変人の両親の好みで 引っ越してきた高校一年の
  英一 そこには小暮老人の幽霊が出るという噂が
  あった そのうえ写真館の看板をはずさなかった
  ため 心霊写真まで押し付けられて・・・」
 あいかわらず 導入部うまいです
 最初の1ページで 物語に入り込める感じ
 宮部みゆきさんは その作品の多彩さも特徴で
 それぞれにコアなファンがいます
 時代ものも多いですし 子供が主人公というものも
 多く「ペテロの葬列」のシリーズも有名
 みなさん それぞれに自分だけの「宮部作品ベスト
 テン」をお持ちではないでしょうか
 私のベストスリーは 一位「理由」
 これはもうゆるがない一位です
 もう好みというしかないですね
 二位も不動の「今夜は眠れない」
 中学生男子が主人公です
 その点 高校一年の英一を主人公とした本作と共通点があり 最後 全てが結びついて 切なくホロリとさせられる点も同じ
これ ひょっとしたら3位にはいるかも・・・と思った次第です
ここに出てくる女子バレー部の先輩が とてもいいです
あなたのベストテンに「小暮写真館」は 入るかな?
 

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by tukineko-diary | 2018-10-30 12:37 | 本の話 | Comments(0)

十月の読書 黒い睡蓮

                                                  
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 読書週間のうえ 今日は読書の日ということで
 めっきり読書がすすむ季節となりました
 今月に入ってから 長編 もしくは短編の連作
 の小説を読む傾向になっています
 先月までは ドキュメンタリーや 旅行記てきな
 物を好んで読んでいました
 「世界から消えた50の国」「世界奇景探索百科」
 といったものです
 どちらも読み応えありました
 いつか書いてみましょう
 ← これは以前書いたフランス人作家ミシェル・
 ビュッシが「彼女のいない飛行機」の前に書いた
 作品です
 モネの暮らしたフランスの片田舎の村
 今は観光地として 日本人やアメリカ人の観光客が
 たむろする有名観光地となった村で起こる殺人・・・
 とにかくね 何の興味もなかったモネと印象派に
 結構くわしくなりましたよ
 そして この人は本当に導入部がうまい!
 フランス人って みんなこうなの?
 ホント 口がうまいんだから ミイさんったら!
って感じ?
そして 女性が魅力的 
それでも「彼女のいない・・・」の方が ずっとおもしろかったけど
これはこれで いかにもフランス的な よい小説でした
ジヴェルニー ちょっと行ってみたくなるかも・・・・
 
 
 
 

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by tukineko-diary | 2018-10-27 18:05 | 本の話 | Comments(2)

少女たちは夜歩く

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 ウォーキングと読書は続いてますよ
 パソコンの前に座る時間が かえって疲れます
 ← これも地域の図書館の新着の棚から 借りてきま
 した 宇佐美まことさん
 地方都市で専業主婦をしていた方で デビューは
 「幽」のホラー大賞になった「るんびにの子供たち」
 です 
 今回の舞台は 四国の城山のある町
 連作短編集なので 全ての怪異は この町で起こり
 連鎖していきます
 元・専業主婦ってところが 感覚が近いのか
 暗い話が多い割には さらっと読めてしまいますよ
 あ、わたしは今も専業主婦ですが・・・
 この他に 二冊 読みましたが
 「東京怪奇地図」森真沙子
 「シェアメイト」新津きよみ

 偶然ですが 全て女性の短編集でした
 森さんのは 遠い昔 一度読んだ気もしますが
 でも 再読でもおもしろかったです
 乱歩・鏡花・荷風など 懐かしき文豪の所縁の地で
起こる不思議・・・無闇坂で 吾妻橋で 偏奇館で ふと出会ってしまった怪異
なかなかおもしろかったです
「シェアメイト」こちらは マンション・一軒家も含んだ 住む場所に係るホラー
「女と住まい」が テーマとなっています
新津きよみさんは 旦那さんがあの折原一さんですね
三冊三様 どれも 楽しめました
特に女性におすすめです 手に取りやすいものから どうぞ
 
 

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by tukineko-diary | 2018-10-08 11:48 | 本の話 | Comments(0)

花殺し月の殺人

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 これも図書館のノンフィクションの棚から ひょっと
 取って 借りてきたもの
 題名はちょっと横溝正史みたいですが アメリカで
 エドガー賞をとっています
 インディアン…と呼ぶのも おかしな話ですが
 アメリカ原住民の一部族=オセージ族の連続怪死事件
 と FBI(かのフーヴァー氏の!)の誕生秘話です
 西部劇でおなじみのように 白人にとって
 野蛮な原住民・・・と 位置づけられた人々
 同じことが 南アメリカでも アフリカでも 
 オーストラリアでも 起こったわけですが この本でも
 原住民の立場からすれば ある日突然 海を越えて
 「野蛮人」が 自分たちの土地にやってきたわけですね
 狩猟民族として 誇り高く生きていた部族は 次々と
 土地を奪われ 石ころだらけの居留地へと追いやられ
 ました
 「大草原の小さな家」というアメリカ開拓期のホーム
 ドラマを 覚えていらっしゃる方いますか?
あれは あくまでも原住民を追い立てて 土地を奪った側のドラマなんですね
反対に追い立てられた部族は 貧困により絶えてしまうことが多かったのです
しかしオセージ族の居留地オクラホマでは なんと「石油」が出たことで 大逆転!
誰もがうらやむ程の 富を得たオセージ族は 今度はその富のために
ひとり またひとりと 犠牲になっていくのです・・・
これ 映画化されて 来年は封切りされるらしいのですが
(マーチン・スコセッシ監督 ディカプリオが出るそうです)
どんな できあがりになりますかね
どちらにしても 迫害した側が きちんと捜査し それを認めて
ベストセラーとなり 賞ももらい 映画化もする
アメリカ人って あの人含め やな奴も多いけど 
こういう所は なかなか日本人にまねできない部分だな…と思いましたよ
 
  

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by tukineko-diary | 2018-10-02 17:39 | 本の話 | Comments(0)

憂鬱な10か月

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 なんだか急速に秋めいてきましたねー
 朝晩の涼しいこと
 ついこないだまで 猛暑とか言ってたのに・・・
 最近は 歩け!と叱咤するドクターに
「だって 熱中症になっちゃう~」という言い訳が通用しなくなり 
 しぶしぶ 散歩 再開
 でも歩けば結構 楽しいですね ポケモンGoもあるし!
 7kmたまごから ケンタロスもかえったし
 散歩に時間をとられるので ブログなかなか書きませんが
 本は 読んでます
 何冊かまた 上げときます
 ←「憂鬱な10か月」イアン・マキューアン
 イギリスの作家です
 今年に出た本ですね
 実は この一週間 いつも行く地域の図書館が 工事のため
お休みだったのですね
一週間も 本の供給が途絶えたら たーいへん!と思い
いつもの予約ではなく 図書館に今ある本を 漁って三冊借りときました
これが 結構 当たりでしたよ
その中でも この本は 新着の棚にありましたので 目について
なんとなく借りてきました
これは本の帯にも書かれていましたが「胎児版ハムレット」です
憂鬱な10ヶ月・・・妊娠のご経験のある方なら あの肉体的にも
精神的にも不安定な10ヶ月を 思い浮かべることでしょうが
この本の場合は 母体ではなく胎児の憂鬱なんですね
まだ見ぬ母の子宮の中で 気の弱い詩人の父 野卑なその弟
父を追い出してその弟と不倫して 父の殺害を計画する母
それを 聞くことしかできない胎児の絶体絶命!
 私は 刑務所の中で生まれ 行きつく先は低所得者向け高層アパートの
 13階あたりだろう・・・
生まれる前から なんてペシミストな胎児
日本では タワーカーストなんていって 高層階の方がセレブだそうですが
イギリスは反対ですね 
数年前 ロンドン近郊のタワーマンションで火事があり
日本でも大きく報道されましたが あれ 日本のタワーマンションとは違い
いわゆる高層団地です
住んでいるのも お年寄りや移民などの低所得層なんですね
さて このまだ名前もない胎児の 行く末は・・・?
おもしろそうとおもったら 読んでみて 簡単に読めるから 
    

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by tukineko-diary | 2018-09-25 16:53 | 本の話 | Comments(4)

九月の読書

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 地震・台風 個人的用事が重なり ブログ書くのをお休みして
 いましたが そんな中でも「読書は続く」です
 10冊以上読みましたが 書いときゃなきゃ忘れるんで 
 ぼちぼち 上げておきますよ
 ← まずこれ 米沢穂信さん編の短編集です
 15編のっていますが 半分くらい既読の方は かなり私の好みと
 似通っているかと 思います
 有名作家ヘレン・マクロイの「東洋趣味」
 ユダヤ人作家シュテファン・ツヴァイクの「昔の借りを返す話」
 この二編が 好みです
 特に シュテファン・ツヴァイク
 亡命してホロコーストを生き延びたのに 60才を過ぎて自殺
 作品だけでなく 作家本人にも興味を惹かれます
 短編集は この他に怪奇幻想系「そっと抱き寄せて」
 「きっと夢に見る」二冊読みました 
 こちらはホラー・ジャパネスクです
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 最近出た工藤美代子さんの「凡人の怪談」不思議がひょんと現れて
 婦人画報に連載されていたとのことで いつもに比べれば
 怖さは少なかった感じです
 この他に 「呼ぶ山」夢枕獏山岳短編集
 「百鬼譚の夜」倉阪鬼一郎
 どちらも さすが・・・!な感じで その独特の味わいを
 楽しめました
 
 残り2冊は 民俗系とでもいいましょうか
 「江戸東京の噂話 こんな晩から口裂け女まで」野村純一
 「江戸の怪奇譚 地下水脈の系譜」堤邦彦
 ああ ここにつながっているのねー と江戸の怖い話を
 あらためて 見直しました
 秋の夜長 食欲と共に 読書量も増えていきます

 
    

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by tukineko-diary | 2018-09-15 20:48 | 本の話 | Comments(0)

阿部公房とねりちゃんのこと

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 今年に入ってから 昔の知り合いの事を思い出して
 検索して見ると 少し前に亡くなっていた・・・ということが
 数回 続きました
 これもある意味「お知らせ」なのかな と思います
 単に 私がもうそういう年齢に達して 亡くなる友人が
 出始めた…ということもあるでしょうが それでも
 それ以前の検索では ヒットしなかったのに 急に
 訃報にぶつかると 呼ばれたのかな とちょっと思ってしまいますね
 八月のある夜 たまたま検索したのは 阿部寧(ねり)ちゃん
 一時期 私立の女子高で 同級生でした
 と 言っても たった一度 お家に行っただけで 一緒に遊んだ覚え 
 もなく 彼女は卒業以前に 学校を変わられたので その後の付き合
 いも ありませんでした
 彼女は 私が検索した日の六日前に 京都で亡くなられていました
 胸部大動脈りゅう破裂・・・というような死因も書かれていました
ちょっと 胸がズキッとしました
それと共に 彼女が婦人科の医者であったことも その評判も読みました
なんだか不思議な感じがします
私は10代の彼女しか知らず その後 折に触れ思い出すことは合っても
その後の人生は 全く知らなかったから・・・
だから 私は私の知っている16,7歳のねりちゃんのこと 書いてみようと思います
私たちの学校は 現国の時間が ほとんど読書感想をしている感じでした
たとえば課題が「宮沢賢治」だったとすると「銀河鉄道の夜」「セロ弾きのゴーシュ」
などその著作を何冊も読み その中の一冊を選んでグループを作り
討論し 発表し 個々に感想文を書く・・・と言う感じ
とにかく読書と作文をたんまりやる方針でした
最近読んだ本は?と いきなり聞かれることもあります
私も 授業中に先生に聞かれて たまたま近所の大学生に借りて
読んだばかりの「第四間氷期」の事を話しました
その日の放課後 それまであまり話したこともないねりちゃんから
「今日 家に来ない?」 と 声をかけられたのです
え、別にいいけどなんで?というと 「阿部公房がいるよ」
それから 電車に乗った覚えもないので ねりちゃんの家は
学校から 歩いて行ける距離だったと思います
普通の日本家屋・・・と言う感じの家で 玄関を入ると
当時はみんなそうだった薄暗い廊下の突き当りに
「どてら」を着た 髪のぼさぼさした すごく大きな男の人がいて
こちらを見て ちょっとうなずくようなしぐさをして 奥に消えて行きました
「あれが 阿部公房」
ねりちゃんがそう言ったのを覚えてるだけで 後はどんな話をしたか
何も覚えていません
 
無口だけど とても個性的な 魅力のある少女だったねりちゃん
一人娘よりも ずっと父親を理解していると主張する人の多い人生は
さぞ めんどくさく 厄介なものだったでしょう
あの時 「阿部公房」に会わせてくれてありがとう
今いるところで ねりちゃんもお父さんに会えたなら いいね
  


  

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by tukineko-diary | 2018-09-02 18:45 | 本の話 | Comments(2)