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玉川心中 太宰治

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 わたしは これまでの人生 ずーっと
 私鉄京王線の沿線で暮らしてきました
 小中高も 全てこの京王線で通い
 大学でやっと 山手線を使うようになったくらい
 です
 結果 友達もほとんど 京王線沿いか井の頭線
 の駅の近くに住んでいました
 なかでももっともよくお家に行った女友達は
 「桜上水」に住んでいました
 この「上水」というのは あの玉川上水のこと
 です
 中学生になって 太宰治を読むようになると
 当然 彼が40才で玉川上水で心中した という
 ことも 知るようになります
 その時 幼い私たちは 桜上水のささやかな
 かそけき流れを見て 「こんな水たまりみたいな
 ところで どうやって自殺したのかね」と不思議
 に思ったものでした
 今思うに あの当時でさえ 太宰の玉川心中は
 「20年前」で 私たちの生まれるずっと前だった
 のですね
あれ以来 玉川上水が 結構な自殺の名所であり 「人食い川」と呼ばれたこと
太宰自身も 三鷹の自宅を訪ねる人に そう説明していたこと
有名な金田一京助教授の娘さんも 玉川上水で自殺したこと
あるホラー作家のお父さんが 太宰の死体発見時の第一発見者だったこと
などなど・・・上水にまつわる不穏な話は いろいろと読みましたし
大好きな小池壮彦氏も 上水にまつわるすごく怖い話を書かれていました
それもこれも わたしは今は亡き怪談専門誌「幽」で読みました
上にあげた本を読むきっかけも 同じく「幽と怪」(合併第一号)で
怪談コレクターとして 尊敬申し上げる東雅之氏が
「文豪たちの幽と怪」という連載を始められ その第一回が
「太宰治」だったからです
あらためて それも心中の相方 山崎富栄さんサイドから見た
二人の関係と心中の内容 当時の受け止められ方
などは へえー…と思うようなことばかりで 興味深かったです
現場も 三鷹の南 井の頭公園の西北 ホタル橋の辺りということもわかりました
遺体を引き上げる時 川辺の桜の木に縄をかけたということも
玉川上水は 桜の並木があり ホタルが飛び交う 豊かな川だったのですねぇ
久しぶりに 太宰治の名作の数々 読んでみたくなりました
金木町の「斜陽館」は遠いけど 三鷹の玉川上水は近いので
そのうち 行ってみたいと思いますよ 


 


by tukineko-diary | 2019-07-26 12:20 | 本の話 | Comments(0)