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三年坂 火の夢

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 第52回 江戸川乱歩賞ですから 平成18年ですかね
 なぜ急に乱歩賞受賞作を、といえば 最近「ツルゲーネフの妹」を
 読んだところ 後ろに過去の受賞作がずらっと載っていたからです
 第一回は なんと昭和30年なんですねー
 乱歩氏が還暦記念に 100万円を投じて創設したそうです
 一回目は中島河太郎の「探偵小説辞典」 二回目は早川書房の
 「ポケットミステリ」の出版に対するもので 第三回で初めて
 小説「猫は知っていた」仁木悦子さんが受賞してます
 なつかしい! JKのころ読みましたよ
 それを眺めているうち そういえば最近の乱歩賞 読んでないなー
 と思って 何冊か図書館にリクエストしました
 本作の舞台は 大きくいって維新以降の明治時代
 主人公は明治33年(1900年) 一校受験のため 奈良から東京に
 出てきた19才の少年です
 貧しい実家から 将来を嘱望されて帝大に通っていた五歳年上の兄は
 妖しいけがを負って 帰宅すると寝付いて一週間で 亡くなってしまいます
「三年坂でころんでね」という 不思議な一言を残して・・・

非常に面白かったのですよ
明治の時代感もあり 当時の貧富の差や 学制もよくわかるし
陸軍測量部の地図を持って 東京を探索するのは 楽しかったです
が! エンターテイメントとしては 残念かなあ
もっと わくわくしながら読みたかったよ
なんでかなー 文体かなー 構成かなー キャラ立ても弱いのかなー
ちょっと もったいない感じがしましたね
しかし 後ろの「参考文献」が 「江戸の坂・東京の坂」とか
「江戸の町は骨だらけ」とか30冊くらいのほとんどが うちの本棚と
かぶっていたのが おもしろかったです
 
 

by tukineko-diary | 2019-02-12 17:17 | 本の話 | Comments(0)